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MicroHeritage 事業について​

 私たちは、近現代史に登場するような遺構とは異なり、人々の日常の中にあった建物は遺されることなく解体され、歴史の藻屑として消えていきます。そんな現代に生きる我々が忘れかけている生活に根ざした建物や文化を“小さな文化遺産(=MicroHeritage)”と捉え、次世代に継承していくための事業をスタートさせました。

 小さな文化遺産は都市開発など街がアップグレードされるにつれて、消えていく運命にあります。防災対策などのために街を更新していくことはもちろん不可欠ですが、生活に根ざした建物をただ壊すのではなく、大切なものとして次世代に継承していくことも、社会価値の創出という面では同じぐらい重要なことです。

 建物だけでなく、日本の地方には祭りや風習など、それぞれの地域で育まれてきた豊かな無形文化もあります。これらも人口減少、新たな法制度(過剰な規制)の影響を受けて、徐々に失われ始めています。こういった生活に根ざした文化を何らかの形で継承していく仕組みづくりも、本プロジェクトの主眼の一つです。

 当法人は地域住民や不動産所有者、関係する企業などと連携、MicroHeritageの発掘と継承に努めていきたいと考えていますので、ご支援、ご鞭撻のほどよろしくお願いいたします。

                       

                   

                    

西成区での Micro-Heritage事業 ①

「朽ちつつある遊廓跡を後世に残したい! 写真集制作プロジェクト」

◇経緯

 大阪西成区にある飛田新地。1918 年に遊郭として竣工したが、1958 年の売春防止法によ り「遊郭」は姿を無くしました。しかし今でも飛田新地は違う形態の歓楽街として、大正、 昭和初期の面影を残しております。
 その一角にある旧料亭の「満すみ」。いまから約 20 年前に料亭の営業を終えてから空き家 となり現在に至っております。 一昨年に「満すみ」の所有者よりこの物件の利活用について相談があり、現地を確認しまし た。建築内部は昭和初期の遊廓建築を色濃く残しており、その当時の風俗を伝える貴重な建 築物であると感じました。先に不動産としての利活用を検討しましたが、コロナ禍などの問 題が発生し事業の方向転換を迫られました。その頃、偶然に株式会社蛙企画篠原氏と相談することが出来、先ずは写真集として Micro-Heritage 事業となりました。

西成区での Micro-Heritage事業 ②

鯛よし百番 VRデータ化及び建築修復クラウドファンディング

◇概要

 当事業は(株)鯛よしが所有する登録有形文化財である百番の保存と活用のために百番建 築の3D スキャニング撮影(VR 撮影)を行い、そのVRデジタルデータを特設サイトにより公開しております。また、サミット不動産で行うオンラインツアー用の百番案内コンテンツとしても利用する予定です。

 鯛よしは開業して50年間に渡り、有形文化財として飲食店を経営しながら、百番の管理運営を行なってきました。 このVR化事業の次のステップとして、百番建築の保全補修のため、2021年初夏より資金調達をクラウドファンディングにて実施をしました。2021年秋より美術品の修復、2022年初頭より建築工事を行い、目標の修復を完了致しました。

◇趣旨

 近年、百番のように評価のある有形文化財は保全補修費用が多額となり、所有者や管理者

が資金調達出来ないなどの理由で保存活動が難しいという事態が発生している。

そのため 資金不足により建物の補修が出来なくて劣化を放置する、また維持管理できず登録有形文化財自体を取り壊す事例も見受けられます。

 このような状況の下、今回の取り組みでは有形文化財の価値を後世に渡りデジタルデータとして保存していくことと、そのデジタルデータを無料公開することやオンラインツア ーにより、国内外の多くの方々にその建築の良さを周知し、有形文化財の保存支援や利活用 などの活動に繋げることを目的としております。

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